研究会報告

                             文責 櫛田孝司

第1回研究会

  赤穂山鹿素行研究会の第1回研究会は、2009年12月4日(金)、午後1時より3時まで、赤穂市立
歴史博物館において行なわれ、研究会の会員以外の方数名を含む30名余りの方が参加されました。
   この会では、山鹿素行の自叙伝とも言うべき「配所残筆」の初めの部分について、佐方直陽
副会長が、読み方から、その意味するところまでを、詳しく解説されました。資料として、
@殆どが漢字の文章で僅かな送り仮名と返り点程度を付したもの、A読み方を読み仮名で
つけたもの、B現代語訳ならびに人名や見慣れない言葉を解説したものの三つが配布され、
それに基づいて、素行先生が17歳に至るまでを記述した部分について解説が行われました。


第2回研究会

   第2回研究会は、2010年3月6日(土)、午後1時半より3時まで、赤穂市中央公民館で行われ、
高校生約10名を含めて、約30名の方が参加されました。
   この会では、「配所残筆」について、最後の部分までの資料が配布され、第1回に続いて、
佐方直陽副会長が詳しく解説されました。素行先生が二十代に達し、ますます評価があがり、
将軍家光に抱えられる寸前まで行ったところが、家光の突然の逝去によりその話がご破算に
なったこと、そして浅野藩主・長直に請われて知行千石を受ける身になったこと、などが
述べられているところまで進み、話はいよいよ佳境に入りました。


第3回研究会

   第3回研究会は、2010年6月5日(土)、午後1時半から3時まで、赤穂市中央公民館で行なわれ、
30名余りの方が参加されました。この会では、前回に続き、「配所残筆」について、佐方直陽副会長が
解説されました。今回は、素行先生が浅野藩を辞して、命がけで「聖教要録」を上梓し、幕府から
呼び出された際に、切腹を覚悟して遺書を胸に忍ばせ、二度と家に戻らないつもりで出頭したという
有名なくだりで、佐方先生の話にも大変に力がこもりました。結局、流罪となり、赤穂にやってきた
というところまで話は進みました。


第4回研究会

   第4回研究会は、2010年9月26日(日)に、『山鹿素行325年祭』として行なわれました。まず、
素行祭が午前10時から11時半まで、大石神社・山鹿神社および赤穂城二の丸素行銅像前にて
催され、午後1時から4時まで、赤穂市中央公民館で、赤穂山鹿素行研究会の総会に引き続き、
記念講演、参加者討論、ならびに素行先生関連資料の展示などが行われました。記念講演では、
「素行の武教(武教小学を中心に)」と題して佐方直陽会長が講演され、約70名の参加者がありました。
また、参加者討論のテーマは「今、何故、赤穂から山鹿素行学を・・・」で、多くの方から発言があり、
熱心な討論が行われました。さらに、展示では、赤穂市歴史博物館所蔵の乃木希典賛付き
山鹿素行画像や今も出版が続く素行先生に関する著書類の数々などが出品されました。


第5回研究会

   第5回研究会は、2010年12月4日(土)、午後1時半から3時まで、赤穂市中央公民館で行なわれ、
30名余りの方が参加されました。この会では、前々回に続き、「配所残筆」について、佐方直陽会長が
解説されました。今回は、素行先生の身の上話を終え、学問論に入りました。ここでは、智仁勇という
聖人の三徳を基準にして本朝(日本)と異朝を比較すると、本朝がはるかにまさっており、本朝こそを
中国と言うべきであるという、「中朝事実」で詳しく論じられていることが手短に述べられています。


第6回研究会

   第6回研究会は、2011年3月5日(土)、午後1時半から3時まで、赤穂中央公民館で行われ、
30名あまりの方が参加されました。この会では、これまで学んできた「配所残筆」の最後の部分を、
佐方直陽会長に講義していただきました。ここでは、素行先生の学問に対する考え方や、聖学の
奥義、つまり、聖学の規範や鋳型をよく知り、その物差しを当てはめる学を習得すれば、功名の
念も消え、ただ人としての道を尽すだけとなる、といったことが書かれています。


第7回研究会

   第7回研究会は、2011年6月4日(土)、午後1時半から3時まで、赤穂中央公民館で行われ、
30名あまりの方が参加されました。この会では、「素行先生に学ぶ」と題して、佐方直陽会長に
ご講演を頂きました。お話は、素行先生を理解するのに是非とも必要な儒学の歴史のことに始まり、
「配所残筆」で一番印象に残った箇所のこと、素行先生はなぜ赤穂と強い関係を持つことになったか
という謎として残る問題、さらには赤穂山鹿素行研究会が今後目指すべき方向などにまで及びました。


第8回研究会

   第8回研究会は『山鹿素行326年祭』に合わせて、2011年9月25日(日)に、赤穂市中央公民館で
行われました。午後1時からの赤穂山鹿素行研究会の23年度総会に引き続き、記念講演、参加者討論、
故・有政一昭先生(赤穂山鹿素行研究会理事)遺品展などが行われました。記念講演では、「聖教要録
を読む前に(聖教要録小序)」と題して、佐方直陽会長が講演され、40名あまりの方が参加されました。
そこでは、赤穂における素行研究会の歴史や、儒教に関して知っておかなければならないこと、
朱子学と聖学の違い、さらに「聖教要録」の概要、これが刊行され、その結果、素行先生が赤穂に
流された経緯などについて、お話がありました。また、参加者討論では、「今、何故、赤穂から
山鹿素行学を・・・」をテーマに、多くの方から発言があり、熱心な討論が行われました。特に、
赤穂山鹿素行研究会が目指している方向が、平成18年に施行された新しい教育基本法の改正点、
ならびに赤穂市教育委員会の掲げる教育努力目標とも一致するものであることが強調されました。
さらに、山鹿素行記念館の創設計画、赤穂山鹿素行研究会として行うべき活動などについても
話し合われました。なお、『山鹿素行326年祭』としては、翌26日(月)に、大石神社・山鹿神社
および赤穂城二の丸素行銅像前にて、素行祭が催されました。


第9回研究会

   第9回研究会は、2011年12月3日(土)、午後1時半から3時まで、赤穂中央公民館で行われ、
40名近くの方が参加されました。この会では、「聖教要録・第一講」と題して、佐方直陽会長に
講義をして頂きました。お話は「聖教要録序」に始まり、「聖人」、「知至る」、「聖学」、「師道」、
「立教」、「読書」、「道統」などの項目について、漢文を現代語に直して、その内容を平易に
説明して頂くと言う形で行われました。


第10回研究会

   第10回研究会は、2012年3月3日(土)、午後1時半から3時まで、赤穂中央公民館で行われ、
約30名の方が参加されました。この会では、「聖教要録・第二講」と題して、佐方直陽会長に講義を
して頂きました。お話は、前回に引き続き、漢文を現代語に直して、その内容を平易に説明して頂く
と言う形で行われ、「聖教要録上」を終わって「聖教要録中」に入り、「中」、「道」、「理」、「徳」
などの項目まで進みました。なお、素行先生は、反体制の学者であったのかどうか、という問題も
扱われ、そうではなかったということも示されました。


第11回研究会

   第11回研究会は、2012年6月2日(土)、午後1時半から3時まで、赤穂中央公民館で行われ、
30名余りの方が参加されました。この会では、「聖教要録・第三講」と題して、佐方直陽会長に講義を
して頂きました。お話は、前回の続きから始まり、「仁」「礼」「誠」「忠恕」「敬恭」「鬼神」の6項目
について読み進みました。特に「誠」の項では、明暦3年の江戸大火の話をされ、「そうせざるをえない
のを誠と言う」について、分かり易い説明がありました。


第12回研究会

   第12回研究会は、『山鹿素行327年祭』に合わせて、2012年9月29日(土)に、赤穂市中央公民館で
行われました。赤穂山鹿素行研究会24年度総会に引き続き、記念講演および参加者討論がありました。
記念講演では、50名あまりの方が参加され、「素行と義士・道徳教育」と題する佐方直陽会長の
ご講演を拝聴しました。そこでは、先生はまず、素行先生の教えは果たして赤穂義士に影響を与えたな
のかどうか、という問題を取り上げて、さまざま観点から議論を行われ、素行先生の思想は赤穂義士と
深く関わっており、確かに影響があったと言ってよいとの結論を導かれました。また講演の後半では、
戦後、道徳教育はどのような流れを辿ったのかを振り返り、この教育の当然の結果として現在の状態
があることを厳しく指摘されました。そして、道徳教育とはどういうものであるかと言うこと、
そして家庭との関連でどういう点が大事であるかということについて、幼児期、児童期、青年期、
成人期以降に分けて、先生の長い教育者としての経験に基づいてこんこんとお話になりました。
 また、参加者討論では、「今、何故、赤穂から素行学を・・・」というテーマで話し合い、
20歳の若者から80歳近くの方まで多くの人が発言して下さいました。いじめ問題は昔からあり、
どこにでもあることであるがネットがそれを拡げている、いじめられる方も自分で克服するように
努力すべき点があるのではないか、現代の問題は平和に慣れて暇があり過ぎることで、もっと
真剣に生きなければという状況にならないと変わらない、昔の元服式にあたる立志式の提案、
特に高齢者がその手本を示すべきである、などさまざまな意見が述べられました。


第13回研究会

   第13回研究会は、2012年12月8日(土)午後2時50分から4時まで、赤穂中央公民館で行われ、
40名余りの方が参加されました。この会は、義士祭を含む一週間に、関連するさまざまな催しを
行うという趣旨で今回初めて企画された「忠臣蔵ウイーク」の行事の一つを兼ねて行われたもので、
「元禄赤穂事件を考える」と題して、佐方直陽会長が講演をされました。
 赤穂浪士討ち入りの後、浪士たちの行為を賛美する者と非難する者とに学者を含め人々の意見は
大きく分かれました。先生はその論点を整理して紹介されたほか、これに関連して日本の伝統的精神
である大和魂についても論じられました。その議論で先生は、「赤穂義士の手紙」(昭和45年刊)の序文
として松下幸之助氏が書いた文章を引用されましたが、これは聴衆に大きなインパクトを与えました。
 なお、赤穂山鹿素行研究会では、「忠臣蔵ウイーク」を盛り立てるために、会長の講演「親子で聞く 
わかりやすい山鹿素行のはなし」、電子紙芝居「史実に基づく本当の元禄赤穂事件」、それに、
討論・白熱教室「赤穂義意をめぐって」と題する討論会なども赤穂中央公民館で催しましたが、
前二者については30人余りの出席者があり、また討論会では参加者は10人余りと少人数では
ありましたが、東京の素行会の会員の方や、花岳寺で講談を演じられた若林鶴雲先生なども参加され、
活発な議論が行われました。


第14回研究会

   第14回研究会は、2013年3月2日(土)、午後1時半から3時まで、赤穂中央公民館で行われ、。
約30名の方が参加されましたこの会では、「聖教要録・第四講」と題して、佐方直陽会長に講義を
して頂きました。講義は、第11回研究会での第三講に引き続き、「聖教要録中」の最後の部分から
「聖教要録下」の始めの部分にかけて行われ、特に、素行先生が朱子学とは非常に異なる主張を
述べておられる「性と理」の問題について、詳しいご説明がありました。


第15回研究会

   第15回研究会は、2013年6月8日(土)、午後1時半から3時まで、赤穂中央公民館で行われ、
約30名の方が参加されました。この会では、「聖教要録・第5講(最終講)」として、佐方直陽会長に
講義をして頂きました。講義は、前回の「聖教要録下」の残りを取り上げ、最後の「道原」までを
語られました。補助資料として、京都学芸大学紀要(昭和40年11月)の「山鹿素行の思想的立場」
(村上敏治)より抜粋の資料も用いて、「宋学批判」が山鹿語類・聖学編になり、その要約が
「聖教要録」である。学問の日用性こそ大事という実際的経験の立場から朱子学を批判したと紹介
されました。素行の自叙伝・「配所残筆」に続いて、赤穂配流の原因・「聖教要録」で思想の特徴が
語られるのに15回を要しました。
今後は、素行の「日用の学」が含まれる「士道」の講義が期待されます。
 会の初めに赤穂市教育長から、「いじめ問題等再発防止に係る第三者委員会」の「第二次提言書」
と、8月に行われる「市民大会」の案内が配布されて、協力依頼の挨拶がありました。
「こころ豊かな人づくり」を趣意書に掲げる「赤穂山鹿素行研究会」の活動が、赤穂市の教育に
活かされるよう全面的に応援したいと思います。


第16回研究会

   第16回研究会は、2013年9月28日(土)に赤穂中央公民館で行われ、30名余りの参加者がありました。
赤穂山鹿素行研究会 25年度総会に引き続き、記念講演として「吉田松陰」と題する佐方直陽会長
の講演がありました。
 会長は、吉田松陰の生涯について語られましたが、その生き方は全く真実、至誠で、真心一点張り
というものでした。「至誠にして動かざる者は未だあらざるなり」 ― 真心というものは必ず通じる
というのが松陰生涯の信条であり、日本人としての本来あるべき魂のあり方を明らかにした人物だ
という結論でした。
 その後、参加者討論があり、「今、何故、赤穂から山鹿素行学を その4」をテーマに話し合いました。
「修身」という教科が戦後、禁止されたことと「いじめ問題」の関連とか、「こころ豊かな人づくり」
のために、「忠恕」という言葉を市のスローガンにしてはどうかという提言を始め、当研究会のあり方
などに関するさまざまな意見が述べられ、活発な討論が行われました。


第17回研究会

   第17回研究会は、2013年12月7日(土)午後1時半から3時半まで、赤穂中央公民館で行われ、
40名近くの方が参加されました。この会は、義士祭を含む一週間に、関連するさまざまな催しを
行うという趣旨で昨年より始められた「忠臣蔵ウイーク」の行事の一つを兼ねたもので、
「山鹿素行の士道について」と題して、佐方直陽会長が講演をされました。
 内容は、次回の研究会から講義が始まる「山鹿語類」の成立の過程、その内容と構成、それに
収められている「士道」篇の概要、士道論の意義などについての解説でした。特に、武力闘争が
終結した時代にあって、武士が政治権力を保持する理由と、権力を行使するにあたっての政治理念を
明らかにすることが必要であるという社会的要請にこたえるために、伝統的な武士の道義的性格に、
儒教思想に基づく人倫の道を基本とする士の理念を接合して、新しい時代における武士階層の
進むべき方向を明らかにした意義は大きいということでした。
 会長はさらに、素行の士道論は、道徳を見失った現代社会の再生のためにも非常に重要なもの
であることを強調されました。


第18回研究会

   第18回研究会は、2014年3月8日(土)赤穂中央公民館で行われ、約30名の方が参加されました。
この会では、「山鹿語類」の「士道」篇の最初の部分である「立本」の章から佐方会長の講義が始まり
ました。その(一)は「己の職分を知る」という題で、ここで素行先生は士の職分を明らかにしています。
すなわち、士は文武の徳を兼ね備え、農工商の三民の師として、人として行うべき道を示し、その模範
となることが職分である、というのです。さらに、「士の本(もと)とするところは職分を知るにある」とも
述べられてることが示されました。


第19回研究会

   第19回研究会は、2014年6月7日(土)赤穂中央公民館で行われ、約20名の参加者がありました。
この会では、前回に引き続き、「士道」篇の「立本」の章の(二)道に志す、と(三)其の志す所を勤行
するにあり、の項について佐方会長に講義をして頂きました。今回は皆で声を出して本文を朗読する
ということも取り入れられました。この部分の趣旨は、「人が自分の職分を知ったとしても、道に志す
ということがなければ、知はあっても行が無いから不十分である。さらに、その志すところをもっぱら勤め
行うことが肝要である。大丈夫とは、士の道に志して、その志す所を確かに行い勤めている者のこと
である。このように手厚く正しく勤めなくては、士の本が立ったとは言えない」とまとめられましょう。


第20回研究会

   第20回研究会は、2014年9月27日(土)赤穂中央公民館で行われ、約70名の参加者がありました。
そこでは、赤穂山鹿素行研究会 26年度総会に引き続き、記念講演として「山鹿素行の生涯」と題する
講演が佐方直陽会長によって行われました。
 会長は、まず戦後今日の日本に改革が必要なものとして、文武のうちの武という男性的な面を強める
ことと精神的な面の回復ということの二つをあげられ、素行がこの両面においてお手本になることを
指摘されました。また武士道は我が国で見失われたかに見られるけれども、教えなければ知られない
のは当然であって、中学校での剣道・柔道の復活、道徳の教科化など、日本人の良さを取り戻そうとの
動きがあるのは望ましいことであり、これらの事柄は山鹿素行と関係が深いとして素行の生涯を学ぶ
意義を強調されました。その後、儒教についての解説を含めて、素行の生涯を語られ、最後に素行の
生き方を学ぶことを通して、男性的な精神面の充実を目指したいと結ばれました。
 その後、参加者討論が行われ、当研究会の今後のあり方や目指すべき事柄など、広い問題について
活発な討論が行われました。


第21回研究会

   第21回研究会は、2014年12月6日(土)赤穂中央公民館で行われ、約30名の参加者がありました。
この研究会は、忠臣蔵ウイークの行事を兼ねたもので、佐方会長が「山鹿素行の士道について」
(第4講)と題して講演をされました。お話は、忠臣蔵ウイークの行事の一こまということもあり、
初めに赤穂山鹿素行研究会が設立された経緯から、この5年間に研究会がやってきたことを紹介され、
さらに逸話を幾つか挙げて山鹿素行の人物像についても話されました。その後で、第19回研究会に続く
(四)度量と(五)義理を弁ずの項の中程までについて講義をされました。
 この部分の趣旨は、「揚子江などの大河が長大でその果てを知ることができず、泰山などの高山が
巨大で草木鳥獣をかくしてしまうように、その胸中に天下の万事をおさめて思いのままにする、
これを度量というが、大丈夫はこの度量を持たなければならない。また、君子と小人の相異は、すべて
義と利の間にある。聖人君子は物事の重要性の大小をよくわきまえており、それに従って行動する。
だからこそ、利に走らず、義を実行するのである。自ずからそうでしかありえない『やむを得ざる』
ところが義理にかなう行いであり、それを万事に応用するのである。」とでもまとめられましょうか。
 会長は最後に、四十七士が利ではなく、義を実行したからこそ義士といわれ後々までも讃えられて
いるのだと述べ、忠臣蔵ウイークにふさわしい講演を終わられました。


第22回研究会

   第22回研究会は、2015年3月7日(土)赤穂中央公民館で行われ、十数名の参加者がありました。
この会では、前回に続き、佐方会長から、「山鹿語類」の「士道」篇の(五)義理を弁ずの項について
講義がなされました。まず、前回の復習から入り、聖人は「やむを得ざる」(否定しようにも否定しえない)
天則のままに、これに従って道を立てたのであって、およそ利害の関係することについては、人は皆、
聖人のこの考えをよく味わって正しい行いをすべきであること、また少しでも後の結果を考慮してする
ということは、利を含んですることであり、聖人の教えとは相違していること、などを話されました。
人としては、身について身の道を修めることが当然であり、それ以外のことは顧慮するにあたらない。
これは、王道が重大であって、何ものにも妨げられることはないという道理に基づくのである。
さらに、義利の間をわきまえることが存心(本心を保持すること)の要である。論語にも「君子は義にさとり、
小人は利にさとる」とある、などを学びました。


第23回研究会

   第23回研究会は、2015年6月6日(土)赤穂中央公民館で行われ、約二十名の参加者がありました。
この会では、「山鹿語類」の「士道」篇の中の「清廉」、「正直」、「剛操」の三つの項目について佐方会長
から講義が行われました。そこでは、立派な男は、賄賂や財貨に心を向けず、人の行いにくいことを
毅然として屈することなく行い、義のあるところは守り、態度を変えることがなく、改めるべきは改め、
糺すべきは糺して人にへつらわず、世に従わず、さらに剛操を以て信を貫き、義を守る行いをしなければ
ならないことを学びました。「士としての道は、剛毅を本にしてその守るべきところを変えないようにすること
である」、「士として立派な男の期待にこたえる修業を積むことができなければ、どうして天下の大器、
識者となることが出来ようか」という言葉が強く胸に残りました。


第24回研究会

   第24回研究会は、2015年9月27日(日)赤穂中央公民館で行われ、赤穂高校生10名を含む約80名の
参加者がありました。そこでは、赤穂山鹿素行研究会 27年度総会に引き続き、山鹿素行330年祭
記念講演として「山鹿素行と赤穂 ―素行が残したもの―」と題する講演が佐方直陽会長によって
行われました。会長は、素行の生涯をざっと振り返り、さらに義士の快挙、明治維新や日露戦争
への影響、山鹿神社や素行の銅像のこと、旧制赤穂中学校建設とのかかわりなどについて詳しく
熱のこもった講演をされました。その後、参加者討論が行われ、多くの会員から、当研究会の
進め方などについて熱心な議論が行われました。なお、山鹿素行から数えて12代目の子孫
に当たる山鹿高資氏夫妻が東京から来られて講演会並びに討論に参加され、皆さんに挨拶される
とともに、研究会の活動や今後の発展についてご意見を述べられたのは、大変良かったと思いました。


第25回研究会

   第25回研究会は、忠臣蔵ウイークの行事を兼ねたもので、2015年12月5日(土)赤穂中央公民館で
行われました。約20名の参加者があり、佐方会長が講演をされました。お話は、素行が古学に
転じたのち最終的に到達された考えを集大成した「山鹿語類」について、その成立の経緯や45巻の
構成のされ方などをまず説明され、続いてその中の最も重要な第21巻の中から「容貌の動きを慎む」
という項目を取り上げて、配布されたテキストを基に詳しく解説されました。この項では、武士
たるものは、姿、形から礼儀作法、振る舞いに至るまで十分に心を配らなければならないということが
具体的かつ明確に述べられています。会長は、こういったことを学ぶことで、生活態度が変わり、
人と人の関係が変わり、町が変わる。一人でも変わって頂ければという思いで会の活動を続けて
いるので、是非、輪を広げてほしい、と述べて講演を終えられました。


第26回研究会

   第26回研究会は、2016年3月5日(土)赤穂中央公民館で行われ、十四名の参加者がありました。
この会では、「山鹿語類」の「士道」篇の(六)自戒の項について、佐方会長から講義をして頂きました。
会長は、まず最近の数回の研究会の講義を振り返って、簡単におさらいをされた後、本題に入られました。
そこでは、立派な人物は、常に自分を省みて、自分を戒め、欠点を改めるように学び努めるべきである、
ということが述べられています。すなわち、天下のことは、その成立の由来が確かで詳しく知れている
としても、長い間、正すこともなく省みることもしないでおくと必ず悪弊が生ずるものであり、物事には
破損の生ずることもあるから、時節を見計らって、度々省察して悪弊を改め、時節にふさわしくないことを
改善するようにしないといけない、というわけです。ときどき自らを省み、己のあやまちを改め、事物が
最もうまく適合するように洞察し、内省すれば、事物は詳しく明らかになる。そうすれば自分が行う事柄の
是非邪正が自然にはっきりし、ときに支障が生じても、工夫によりうまく解決できるだろう。これが心構えの
基本であるということになります。会長は、講演の最後に、赤穂素行研究会は、この秋に丸7年を
迎えますが、本会は、素行思想の現代的な意義を探求し、その普及を通して日本人の倫理回復に
寄与すると共に、現代の人づくりに活かす活動を行おうとするものですから、是非一人でも多くの方を
誘って会に参加して頂きたいということを強調されました。


研究会 趣意書 研究会 会則「赤穂義士と山鹿素行」全国フォーラム
全国フォーラムのプログラム 全国フォーラムの記念講演全国フォーラムの発言要旨
研究会だより謫居童問勉強会 『赤穂義士と山鹿素行』発刊
屋山氏 素行を引用 機関誌『至道』佐方会長の講演のCD
素行銅像の案内板 山鹿素行のはなし 『山鹿素行の士道論』発刊
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