穀物庫の扉
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コミックの棚  漫画についての感想です。

作品名 著者 出版社 初版発行日 価格 ISBN
ああっ女神さまっ 25巻 藤島康介 講談社 /アフタヌーンKC 2002年11月15日 本体438円+税 4-06-321142-8
狼には気をつけて 4巻 遠藤淑子 白泉社 /花とゆめCOMICS 2002年06月25日 本体390円+税 4-592-17597-2
クロノアイズ 5巻 長谷川裕一 講談社 /マガジンZKC 2002年02月22日 本体533円+税 4-06-349084-X
クロノアイズ 6巻 長谷川裕一 講談社 /マガジンZKC 2002年06月21日 本体533円+税 4-06-349099-8
クロノアイズ グランサー 1巻 長谷川裕一 講談社 /マガジンZKC 2003年01月23日 本体533円+税 4-06-349116-1
しゃにむにGO 13巻 羅川真里茂 白泉社 /花とゆめCOMICS 2002年12月25日 本体390円+税 4-592-17276-0
しゅーまっは 1〜6巻 伯林 秋田書店 /少年チャンピオン・コミックス 2001年05月25日 本体390円+税
昴 11巻 曽田正人 小学館 /BIG COMICS 2003年02月01日 本体524円+税 4-09-186601-8
スマリの森 遠藤淑子 白泉社 /花とゆめCOMICS 2002年03月10日 本体390円+税 4-592-17796-7
っポイ! 21巻 やまざき貴子 白泉社 /花とゆめCOMICS 2003年02月10日 本体390円+税 4-592-17681-2
天然パールピンク 1巻 田中メカ 白泉社 /花とゆめCOMICS 2002年12月10日 本体390円+税 4-592-17083-0
BLEACH 5巻 久保帯人 集英社 /ジャンプ・コミックス 2002年11月06日 本体390円+税 4-08-873335-5
BLEACH 6巻 久保帯人 集英社 /ジャンプ・コミックス 2002年12月25日 本体390円+税 4-08-873366-5
細腕三畳紀 あさりよしとお 講談社 /アフタヌーンKC 1130 2001年12月21日 本体476円+税 4-06-321130-4
目隠しの国 7巻 筑波さくら 白泉社 /花とゆめCOMICS 2003年03月10日 本体390円+税 4-592-17577-8
ラブやん 1巻 田丸浩史 講談社 /アフタヌーンKC 2002年06月21日 本体514円+税 4-06-314298-1



ああっ女神さまっ 25巻 ▲
藤島康介 著/講談社アフタヌーンKC
2002年11月15日 第1刷発行
ISBN4-06-321142-8
本体438円+税
 この人の作品は「逮捕しちゃうぞ」の頃から読んでいるのですが、画力的にもお話的にも向上を続けるそのバイタリティに感嘆します。特に、今回のような個人の繊細な心の機微を的確に表現する術は、この人の範疇にはなり得ないと思っていたゆえになおさらです。

 あと、頻出するベルダンディーの全裸シーンは寒そうでした。しかしそれもまたよし(?)。筆者もこの作品を描いている頃はちょっとエッチな気分だったと推測します(笑)。(2002/12/19)


狼には気をつけて 4巻 ▲
遠藤淑子 著/白泉社花とゆめCOMICS
2002年06月25日 第1刷発行
ISBN4-592-17597-2
本体390円+税
 もしかして、赤頭巾ちゃんのお話でこのシリーズも終わりでしょうか。

 どうしたって手に入らないものはあって、あきらめたり無視したり忘れたりして生きていく日々の中で、ふと寂しさを感じることと、同時に今手にしているものの得難さを知ることは、同時であるがゆえに健全で安心できる構図です。アレクサンドラは自身の欠落もフォレスト君の大切さも共に自覚してしまっているので、お話としてはとても描き難くなっているとは思いますが、でも少し淋しいですね。終わりというものは。

 遠藤さんの作品で個人的なツボを突かれたのは「兄貴」だったりします。9年前の作品ですが、そんなふうに「わかる」ことを、相手に伝えるために口にしただけで嘘にすりかわるその感覚を、共感できる形にして示してもらえたことに今でも感謝していたりします。(2002/12/15)


クロノアイズ 5巻 ▲
長谷川裕一 著/講談社マガジンZKC
2002年02月22日 第1刷発行
ISBN4-06-349084-X
本体533円+税
 本編とは関係ないのですが、ミトコンドリア・イブの話が面白かったです。ヒトの細胞中のミトコンドリアは女性側からしか遺伝しない。DNAの突然変異率を考慮した計算から、ミトコンドリアの系譜を過去へ辿ればアフリカに居住した一人の女性に行きつく。現代に生きる人類は全てその女性の子孫なのだ……簡単に説明すればそのような話です。

 もっとも、原始ミトコンドリアは原核細胞の一種で、それが進化の過程で宿主となった細胞に組み込まれていった結果が現在の細胞であるという仮説(細胞共生説)に従うならば、そのような寄生関係を最初に作り上げたただひとつの原始細胞の存在を考えるのはさほど不自然なことではありません。であるならば、人類、いやミトコンドリアを細胞中に有する全ての生物は、ただ一個の祖先に遡ることができます。

 ミトコンドリア・イブは比較的短いスパンで見たときの進化史の勝者であり、ミトコンドリア・イブが生きていた同世代のヒトにとってのミトコンドリア・イブが過去のいつかに存在していたかもしれません。また、将来のある世代におけるヒトのミトコンドリア・イブが、現在の人類のなかにいるかもしれません。


 ……とこれだけでは、この本の感想になっていませんね。自分がある少女の身代わりとなって死ぬと知らされた主人公が、未来の歴史は全て自分の死をきっかけに成立したものだと知った上でその日を過ごす緊迫感とか、面白かったですよ。

 そのこととは関係ないですが、冥王の裸体はなんか適当に描いてあって、オトナの女性は適当ですかこのロ○コンとか思ったりもしましたが。

 このシリーズ単体でお薦めする気にはなりませんが、同じ作者の「マップス」と「轟世剣ダイソード」は是非読んで欲しい名作です。特に前者。ノーラ連載ということでイマイチマイナー気味だった作品ですが、冒険活劇ものとしては頂点を極めた作品です。ただし、1巻2巻程度で止めずに最低3巻まで読みましょう。(2003/1/17)


クロノアイズ 6巻 ▲
長谷川裕一 著/講談社マガジンZKC
2002年06月21日 第1刷発行
ISBN4-06-349099-8
本体533円+税
 なにやら脈絡もなくPCゲームの「YU-NO」を思い出してしまいましたが、最良界の世界でクロノスによって明かされるクロノアイズの存在意義のくだりが面白かったです。どんでん返しの達人、広げた大風呂敷はきちんと畳む著者の力量を再確認しました。

 もっとも、時空犯罪によって時間樹が分岐した瞬間に5次元世界からその分枝に突入すれば、犯罪行為を妨害しても新たな分枝は発生しない、というくだりはどうかなと思います。結局は、時空犯罪が露見した瞬間以前に遡ってその犯罪を妨害しても、犯罪行為が途中で妨げられたという分枝が新たに生じるだけで結局は無意味であると理解する方がすっきりするのでは。

 つまり、自分がいる「現在」は、他者の時空犯罪が露見した時点で既に「そのような時空犯罪が発生し露見した時間枝」となるわけで、そこで露見以前の時点に介入すると自分がもと居た時間枝から分岐した新たな時間枝(時空犯罪が途中で妨害されたために以後は自分が居た世界とは異なる経緯をたどった時間枝)に所属することになってしまいます。そこで未来に戻っても自分が二重存在になるだけです。クロノス専用機に搭載されているような五次元移動を利用して、時間樹の外側の世界から自分がもといた時間枝に戻ることは可能ですが、そうしたところでその時間枝自体は(つまりその世界の過去は)全く改変されていないのです。

# ちなみに、「そのような時空犯罪が発生しなかった時間枝」(最良界)はもともと自分が属していた枝ではありません。その世界に行ってもやはり自分が二重存在になるだけです。

 これに対して、時空犯罪が露見した時点以後、正確には時空犯罪の結果がすでに確定している以後の時点で介入すれば、その世界がそのまま自分の所属する(本来の)時間枝となり、妨害行為による分枝は生じません。具体的には、AD4年に時空犯罪が行われたことを、AD30年まで事態が進行した後で察知したのであれば、介入するのもAD30年以後でなくてはならない、ということです。

 本編では、大樹たちが冥王誕生時点に時間枝に突入していますが、大樹たちはもともと「冥王誕生によって分枝した時間枝」の住人なので、最良界からの分岐点にこだわる必要はありません。自分の所属していた時間枝の、自身が了知している時点以後にそのまま戻ればよかったのではないか、ということです。


 ……しかしこれで「第1部」終了ですか。ほんで、“to be continued Chrono Eyes THE GLANCER.”とは何事ですか。ううむ、この後に続くお話とは楽しみなような、心配なような。(2003/1/20)


クロノアイズ グランサー 1巻 ▲
長谷川裕一 著/講談社マガジンZKC
2003年01月23日 第1刷発行
ISBN4-06-349116-1
本体533円+税
 すばらしい。本を手放す手間を惜しんでしまうほど、泣いている下の子を放っておいて奥さんに叱られるくらい面白かった。

 わたしはどちらかというとお話の作り方で作者の力量を推し量り、作品についてもそれを中心に据えて評価するタイプかと思うのですが、「ACT.4 コミケ破壊指令」と「ACT.5 バック・トゥ・ザ・21世紀」の前後編には参りました。序盤のあのシーンに対して、まさかラストシーンで新たな意味付けが与えられるとは。クロノアイズ以来の、しかも読み手自身もはきとは自覚していなかったもやもやに対して、これほど爽快などんでん返しが用意されていようとは。いや、脱帽です。構成的にみても(同等ではありませんが)マップス以来の感歎でしたし、コミケ会場での読み手に対するツカミにしても綱渡りではあるが決して不自然ではないその埋め込み方に感服しました。

 前作「クロノアイズ」を読み終わった際に感じた続編への危惧も綺麗に払拭されていました。登場人物や世界にとっての介入の意義、いったい独力でそんな活動がなしうるものなのかという組織的金銭的な疑問、などに対してきちんとした説明が作中に織り込まれています。前半部で安心して、後半部でドキドキハラハラ。

 安心して薦められる良作です。(2003/1/31)


しゃにむにGO 13巻 ▲
羅川真里茂 著/白泉社花とゆめCOMICS
2002年12月25日 第1刷発行
ISBN4-592-17276-0
本体390円+税
 黒田のトラウマについて、「怒り」で「全てを忘れる程ひとつの事に集中出来る状況」を作りだすことによって克服を演出するというのは、根本的な解決ではありません。それはある種のごまかしで、お話的には、克服できたという感覚を得ることで自分を誤魔化す術を新たに得たというだけのことに過ぎません。逃避が形を変えただけで、黒田はいずれ壁にぶつからなくてはならないでしょう。そもそも「後ろには誰もいないんだ」という心理表現では、そこにある白田の奮闘が全く生かされていないのですから。

 留宇衣関連の「集中力」というテーマに引きずられた感がありますが、どうにも中途半端な棚上げなので、いずれきちんとしたエピソードで補完されることを望みます。キャラクターの直面している状況からはそのような当座の解決が必然だったということは理解できるのですが、これで本当に解決されたことにされてしまってはやはり気持ちが悪いので。作者ではなく、読み手側の問題として。(2002/12/20)


しゅーまっは 1〜6巻 ▲
伯林 著/少年チャンピオン・コミックス
本体390円+税
 伯林氏の「しゅーまっは」1〜6巻を読みました。

 “shun”イチオシのこの作品ですが、イマイチ面白さがわかりませんでした。「萌え」を云々するには中途半端なつくりだし、不条理+残酷ものとしては後にクルような深みが感じられない、というか人造人間をネタに生命をオモチャにしておきながら、そこまで踏み込む覚悟はないように見うけられました。

 6巻になると、あずまんが大王的なキャラクター性を中心に据えた小話とかもちらほらみられるのですが、特に突き抜けたところがあるわけでもありません。では何がウリかというと、あの手この手を使って孫娘をいじめる祖父と、嫌がりながらも祖父を嫌いにはなれない娘との現実にはあり得ない無条件の結びつきを作品世界の前提としていることでしょうか。

 娘の入浴シーンをカメラで撮影しようとしてドツキ倒される祖父、少女達、特に娘の若い肉体がプールで健康的に戯れる姿をファインダーに納めようとして怒られる祖父、娘に図書館のカウンターで大きな声で「ちんちんかも?」という本を借りさせるように仕向ける祖父、とそれらの嫌がらせに対する娘のリアクションが、セクシュアルな関係を全く感じさせないで展開される健全な面白さは独特だと思います。ただ、それをメインに据えてお話作りを深めようという姿勢があまり感じられないのですが……。一般的には人造人間しゅーまっはを使ったグロ系かパニック系の嫌がらせがメインなのですが、それ自体は大して面白くはありません。

 いろいろな意味で残念な作品でした。(2003/1/23)


昴 11巻 ▲
曽田正人 著/BIG COMICS
2003年02月01日 初版第1刷発行
ISBN4-09-186601-8
本体524円+税
 ……少し、心配です。この物語はどこかで間違えてしまったのではないか。「かわいそう」などと読者に思われている限り、それは超人の物語ではありません。ダンスの技巧と人間性は完全に別次元のもので、人としての欠落があっても、いやむしろそれがあるがゆえに、常人の踏み込み得ない領域へと突き進むことができる。そこまではいいのですが、このお話ではもっと早い時期に、そのテーマの先へと進むべきだったと思います。幼少期の泣いている女の子の印象をどこかでひっくり返すべきだった。ローザンヌの後に、ボレロを踊る前に。

 幼少期の「それ」は当然必要な仕掛けで、そういうある種の優越感と行為の全てに意味付けをなし得る万能の鍵は、物語の受け取り手である読み手が疎外感を感じないように彼/彼女にあらかじめ与えられておくべきものです。置いていかれた普通人としての当惑や戦慄をその当人になったかのように感じ取りたい読者はいません。自分は理解している、その感覚を外された状態で物語をたどることのできる読み手がどれだけいるでしょうか。

 絵という表現手段でダンスの新境地をダンスをしたことのない読み手に本当に理解させることはできないと思います。同様に、声楽をやったことのない人間に、声による、拍手すら忘れるほどの陶酔を伝えることはできないし、テーブルトーク・ロールプレイをしたことのない人間にその情報処理の濃密な瞬間を知ってもらうこともできません。それは私の確信です。そして、ゾーンや、ダンスによる観劇者の思考の加速、視覚以外の感覚の伝達と刷り込みなど、側面から読み手の共感を支える理由付け(あるいは理解したつもりにさせる仕掛け)ですら、私はどれほどの読者がついてきているか疑問に思っています。ましてや、宇宙人とのコミュニケーションやプリシラとの「接触事故」に至っては。

 昴やプリシラが成功したようには、絵による立体的な情報伝達はなしえない。少なくとも、十分な段階には到達していないように思われます。お話の読み手として理解したつもりにならなくてはいけないのに、私はそこに表現されている何かを理解できていないという自覚から逃れられなかった。何かを伝えようという作者の苦しみは痛いほどに伝わってきますが。そういう意味では、“ボレロ”編は作者にとっての挑戦だったのでしょう。

 蛇足となりますが、そういった挑戦の延長線として、11巻中では、「お話としての因果関係」の提示されない昴の「仕事ですから」というセリフ、リンダと会食中のアレックスの影など、リアリティを基盤とするこの種の作品においては前衛的な表現技法が取り入れられています。それらが読み手の中で違和感を生じずに受け入れられるかどうか、私には判りません。

 だから本当は、“ボレロ”編の前に、主人公の内面的な変革を描くべきだったのではないか。そう思うのです。それならば、読者は自分が置いていかれる理由をそこに見つけることができた。それで、平穏無事に物語を締め括ることができたのに。

 今は、“ボレロ”編の後に“イノセント・ワールド”的な物語を持ってきたこと、その心理変革への布石と挑戦を楽しみにしています。唐突ではありましたが、アレックスという現実離れした洞察力を持つ人間は、読者の理解を離れてしまった昴の心理を翻訳し読み解かせる鍵となるために必要とされたはずですから。そして、昴が命の燃焼を制御できる「超人」となるのか、それとも可愛そうな女の子のままで終わってしまうのか、それを見届けたいと思っています。(2002/12/27)


スマリの森 ▲
遠藤淑子 著/白泉社花とゆめCOMICS
2002年03月10日 第1刷発行
ISBN4-592-17796-7
本体390円+税
 哀しいお話でした。でも、可哀想なお話ではありません。心地よさとは無縁の読後感ですが、子供の頃に読んだシートン動物記の「ギザ耳ウサギ」や、題名は忘れてしまったのですが、犬に追いかけられるレースに幾度も生き残り、最後には森に還ったうさぎ(勝った数だけ耳に穴を空けられている)のお話を思い出しました。

 幼少期にこういった物語を読んだことがなく、読むことに快楽しか求めない人達に、この作品が受け入れられるとは思いません。そういう意味でオトナには無条件にお薦めすることはできませんが、小学校高学年から中学生・高校生くらいの方には是非読んで欲しい作品です。(2002/12/29)


っポイ! 21巻 ▲
やまざき貴子 著/白泉社 花とゆめコミックス
2003年02月10日 第1刷発行
ISBN4-592-17681-2
本体390円+税
 あぁ……なんとも「重い」お話です。“Lala”本誌から“Melody”に移ったこの作品ですが、“LaLa”では描けないお話かもしれません。平や万里の特徴的なキャラクターによって「希望」は導かれるのですが、なまじ作者に実力があるだけに苦しみさえもリアルに伝わってきます。

 砂糖菓子のようなお話で示される「苦しみ」には、それがどれほど優れた表現であっても虚構であるという前提を伴うがゆえの距離感と安堵があるのですが、そこから先へと踏み出そうとした作品は読み手にも相応の痛みをもたらして、その痛みゆえに作品は読み手と強く結びつく(切り離せない)のでした。

 だから、客観的に語るしかない。主観的になんて書けない。

 しかし、平も万里もすでに中学3年生のメンタリティではないですねー。自分が中3の頃を考えてみるとなおさら。ヒナとマコトもこのままでは置いてけぼりだぞ。頑張れ女の子。(2003/3/4)


天然パールピンク 1巻 ▲
田中メカ 著/白泉社花とゆめCOMICS
2002年12月10日 第1刷発行
ISBN4-592-17083-0
本体390円+税
 “step1”から“3”までは、小ネタ混じりではあるもののわりと普通の進行だったのですが、“4”での転調にはちょっと感銘を受けました。それまでの、「子供じみた『恋愛ゴッコ』に付き合わされて」いた読み手としての感覚を、貫二視点への親近感、物語世界への共感へと転化する発想に感心します。直接のアドバイスがあったかどうかは判りませんが、描き手の柔軟な思考を尊重するよい編集者がついているようですね。

 「支えるだ喜ばすだってあいまいなキレー事」はわたしも嫌いです。夫婦以前に恋愛、そして恋愛あっての夫婦なのです。いや、もう恋は要りませんが。恋がなければ触れることは簡単で、触れることが簡単になれば恋は要らないのでした。

 “step3”の扉絵にときめいた私は変態さんなのでしょうか。チラリズムよりもフェティッシュということで。あと、“2”の扉絵を見てスカートの奥云々を考えることは間違ってますか。そうですか。(2003/1/5)


BLEACH 5巻 ▲
久保帯人 著/集英社ジャンプ・コミックス
2002年11月06日 第1刷発行
ISBN4-08-873335-5
本体390円+税
 この人の、作中に織り込まれる独特のセンスを感じるおふざけと、展開の中で自然と導かれるキャラクターの内心の吐露から得られる価値あるものの切り取り方が好きです。

 5巻では、チャドの身体的特徴についての過去の挿話に参りました。涙もろくなりましたかね、わたしも。……泣きませんでしたが。(2003/1/30)


BLEACH 6巻 ▲
久保帯人 著/集英社ジャンプ・コミックス
2002年12月25日 第1刷発行
ISBN4-08-873366-5
本体390円+税
 滅却師の滅亡>師匠の死>自身の贖罪と、雨竜の抱える動機――その建前から本音への過程――がきちんと描写されていることに著者の基本的な力量を感じて安心します。

 ストーリー的には、途中風呂敷を広げすぎじゃないかとも思いましたが、きれいに収束させていますね。もっとも、浦原喜助の謎めいた言動に全ての下駄を預けた感じなので、いずれなされるその説明に期待というところです。あと、事態がそこ(メノス)まで進展した理由については特に語られていませんね(この巻では)。それもいずれ説明されるのかな。

 “BLEACH”についてはたまにジャンプ本誌の連載の方も眺めたりしているのですが、最近の展開は、ジャンプ王道パターン『幽々白書』バージョンって感じですねー。先の展開が、恐らくは作者にも読めていないだろうと思わせる点でその危うさがとても魅力的なのですが、果たして大丈夫なのか。絵柄が荒れてきたら要注意?

 余談ですけど、滅却師滅亡の際のバランス理論からすれば、今世紀の人口爆発はどう説明したらいいのだろう。どう考えても、現世の魂の量は増えすぎだよね……って、だから魂を滅ぼす滅却師が今必要とされるのだな、きっと。(2003/2/2)


細腕三畳紀 ▲
あさりよしとお 著/講談社 アフタヌーンKC 1130
2001年12月21日 第1刷発行
ISBN4-06-321130-4
本体476円+税

 たまたまアフタヌーン連載第一話を読んだ時に、なんとも言えない衝撃を受けた作品です。いや、本当のインパクトは第二話で、きっちりトドメを刺されたのですが。まさか、コミックスになって出るとはねー。というか、よく覚えてたな>わし。

 三葉虫をテーマに、現代を舞台とする一話完結の短編集です。全十話。個人的には一話、ニ話、八話がお勧めです。「掃除機ぶちっ」と「電子レンジ、チン」がサイコー。

 あれ、わしが買ったの初版だ。もう一年以上前に出版されているはずなのに。売れなかったのかな(面白いと思うんだけどなー)。(2003/3/6)


目隠しの国 7巻 ▲
筑波さくら 著/白泉社 花とゆめCOMICS
2003年03月10日 第1刷発行
ISBN4-592-17577-8
本体390円+税
 いや、巧い。エリちゃんへの“告白”をめぐる27話以降と、あろうの力についての28話以降の流れが、絡み合いながらもきちんとまとめられていることを正直すごいと思いました。舞台となった温泉旅行自体はもっぱらあろうのテーマのために用意されたものとはいえ、ひとつの舞台の中でふたつのテーマを無理なく展開するその力量に感心します。

 もちろん、第30話でのエピソードについての独特の切り口にもセンスを感じます。いや単にわしはこれが好き、という感情を適当なコトバに置き換えているだけなのですが。

 以前、花とゆめ本誌の連載になったと知って不安に思っていたのですが、この巻のお話は、LaLaとLaLaDXに連載されたものなのですね。この人には、ゆっくりとゆったりとお話を作って欲しいような気がします。


 あと、今年は内藤濯(あろう)氏生誕120周年、星の王子様があろう訳で出版されてから50周年なのだそうです。(2003/4/7)


ラブやん 1巻 ▲
田丸浩史 著/講談社アフタヌーンKC
2002年06月21日 第1刷発行
ISBN4-06-314298-1
本体514円+税
 いや、面白い。田丸浩史はスペースアルプス伝説で間違った方向に行っちゃった気がしてたのだが、安易に不条理に逃げることなく読み手の痛痒をくすぐるツボを探る姿勢に好感。表紙見て絵柄変わったのかと思ったら違った。思わず、「表紙:」とかゆー記述を探しちゃったぞ。

 小学生の青木萌ちゃんは当然ながら可愛い。んで、こーゆー男(エロゲ好き・25歳)が娘に近づいてきたら絶対にコロス、とか思っちゃったな、お父さんは。

 とりあえず、ロリ・オタ・プーな自分をコントロールできる人にはお薦めのイタさ。コントロールできない奴は、エロゲー100本やって人生の勉強でもやっとけという実に教育的な内容に感銘を受けるがよい。

 ……と書いた都合上、自分のエロゲ歴をカウントしてみたら、300本近くあったりして。てへ。(2003/1/19)



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