穀物庫の扉
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一般ゲームの棚  非年齢制限ゲームについての感想です。

作品名 メーカー 機種 発売日 価格 ジャンル
Prismaticallization SuperLite 1500 シリーズ ARC SYSTEM WORKS CO.,LTD /株式会社SUCCESS PlayStation \1,500 サークレイトAVG



Prismaticallization ▲
SuperLite 1500 シリーズ /ARC SYSTEM WORKS CO.,LTD /株式会社SUCCESS 標準価格\1,500(税抜) サークレイトAVG
 主人公の知識量は現実離れしていますが、そのこと自体はあまり気になりません。ただ、主人公の知識と思考ルーチンの蓄積から繰り出される不必要なまでに分析的なモノローグや、少女との衒学的な会話は、虚構ではあるけれども、そこに同調するべき何らかの価値を見出す者にとっては、それこそが作品の価値を決定する重要な要素であるのでしょう。

 そう、懐かしかったです。ぼくにとっては。それはもどかしい行き詰まりの道程の記憶。孤独な思考はそれゆえに出口のないループを辿り、ループを自覚することで自身の孤独を測る。主人公自身はゲーム的なループについては最後まで知る由もないけれども、そこからの解放にプレイヤーが自身の内的な意味を関連づけることができるのであれば、それはそれで構わないのです。ただ30を過ぎた人間としては、主人公の若さに思わず嘆息したくなったりもするのですが。

 そういった「珍奇なテキスト」と対になる売り文句である「選択肢の存在しない特異なシステム」については、あまり感銘を受けませんでした。結局は、その周回のテキストを読みながら、同時並行的に次周のために(あるいは次々周のために)フラグ立てを行うに過ぎず、キャラクターの思考の流れとは完全に独立した形でプレイヤーとしてパズル的な思考を展開する必要があるというだけことです。

 最初の60周で起こり得るイベントについてはほぼ把握してしまったので、それ以降の周回はラストイベント起動フラグを発見するための単調な作業に過ぎませんでした。早送りばかりで。おかげで、コントローラーを握ったまま居眠りすること十数回。なんだかそれが一番しんどかった記憶です。

 総体として、女の子たちはただひとりを除いてパターン化されていますが、そのひとりとの会話をもって十分にモトはとれるゲームです。「選択肢の存在しない特異なシステム」についても、上の文章では批判的に書いていますが、「選択肢の存在しない」ことそのものではなく、循環する日常の暗喩からプレイヤーを疎外してしまう外部的な視点を排するという点で、ゲーム性と作品のテーマとを見事に繋ぎとめています。面白いと感じるかどうかは人によると思いますが、思考の流れを分析的にシミュレートをすることに興味のある人にはお薦めします。
(2002/12/22)




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